濃煎茶ができるまで
小野田園は、生茶葉を荒茶(半製品)にまで加工する「製造工場」と、
荒茶(半製品)を最終製品に仕上げる「再製工場」の二つを持っています。
両工程を直接管理することで、変わらぬ品質と味の濃煎茶を届けしています。
				
					一
				
				製造工場での工程
			
			5月の初めに新芽の茶摘みが行われ、収穫した生茶葉で一年分の荒茶を製造します。
製造工場が稼働するのは5月だけです。
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					保管収穫された生茶葉はまず、専用のコンテナに入れられます。 
 このコンテナは下から風を送ることができ、茶葉が製造ラインに乗るまでの間、蒸れたり発酵して茶色くなったりするのを防ぐ仕組みとなっています。 
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					重要工程蒸し収穫後の生茶葉はそのままでは発酵してしまうので、急いで「蒸し」の工程へ送られます。蒸気で均一に蒸すことによって発酵が止まり、茶葉の緑色をそのまま残した日本茶特有の水色になるのです。 
 小野田園では「胴回転式の蒸機」を使い、非常に強い蒸気で長時間茶葉を蒸しています。強い蒸しで茶葉の細胞を壊し、そこからお茶の旨味を十分に引き出すことで「濃煎茶」のまるみのあるコクが造り出されます。   
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					葉打ち蒸された葉は、粗熱と余分な水分を取り除かれた後、「葉打ち」工程へ入ります。 
 ここでは茶葉を傷つけないよう圧力を加えながら、乾燥した熱風を送り込み、水分を取り除いていきます。 
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					粗揉-そじゅう熱風を送り込みながら茶葉に適度な圧力をかけ、揉むことによって、茶葉の中の水分を更に飛ばしていきます。   
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					揉捻-じゅうねん粗揉工程で取り切れない葉の固い部分・茎などの水分を揉み出し、茶葉全体の水分を均一にします。  
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					中揉-ちゅうじゅう揉捻工程で縮んで塊になった茶葉を揉みほぐしながら、再び熱風で乾燥させていきます。  
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					精揉-せいじゅう熱した釜の上で茶葉に圧力を加えながら撚ることで、乾燥させながら形を整えます。  
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					乾燥最終的に茶葉の水分が5%前後になるまで乾燥させることで長期保存が可能になります。ここで、半製品である荒茶の完成です。 
 荒茶は5月に一年分のものを作ります。
出来たばかりの荒茶を再製工場へすぐに回し、仕上げたものが「新茶」です。 
新茶として売り出す以外の分は、一旦、厳しい温度調節をした大型冷蔵庫に保管します。そして、風味の変わらない美味しいお茶を一年中お楽しみいただけるよう、必要な量だけ、都度、再製工場で仕上げます。お客様のお手元に届くのはいつでも仕上げたばかりの新鮮な濃煎茶です。
				
					二
				
				再製工場での工程
			
			5月に作った荒茶を最終製品に仕上げる工程です。茶葉を選別し、形を整え、火入れします。火入れしたての風味高いお茶をお届けするため、一年中稼働しています。
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					選別・切断最初に、再び乾燥させた荒茶を「廻し電棒」という機械に投入します。この機械では、静電気と篩(ふるい)で、葉・芽茶・茎茶等に選別します。 
 次に選別された葉を「電子電棒」という機械に入れます。ここでは色彩センサーを使って、取り残した茎などを除き、更にきれいにします。
 その後、「総合仕上げ機」によって、より細かい区分で大きさ別に選別します。
 最後に「切断機」で、葉の大きすぎる部分を切断し、大きさを整えます。 
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					重要工程火入れ選別を繰り返し、種類別に分け、大きさを整えられた茶葉は、再製工場での最重要工程である「火入れ機」に投入されます。 
 火入れには様々な方式がありますが、小野田園では、鉄板と直火での火入れにこだわっています。高温の鉄板で茶葉を焦がさないように火入れをするには大変な技術が必要で、気の抜けない工程です。しかし敢えてこの方法を採ることで、濃煎茶は火香(甘い香り)を高くたたせ味に深みを出しています。 
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					選別・合組-ごうぐみ火入れした葉や芽茶を風撰機(とうみ)にかけ、軽い部分(粉茶)を選別し別に取り分けます。 
 粉部分を取り除いた、葉と芽茶の部分を合組機に投入してブレンドしたものが煎茶です。ここで最終製品である仕上茶が完成します。 
自動包装機

製造工程とは異なりますが、小野田園では、「自動包装機」を導入しています。
1時間で500個ほどの100gパックのお茶(窒素充填)を作ることが可能です。
手作業よりもはるかに早いパックが可能で、仕上げたての新鮮な風味をいち早く閉じ込め、お客様にお届けしております。